hadakaraシアター#1
エッセイスト犬山紙子が選ぶ
お風呂で見たい映画3選
「負け美女」など名キーワードを生み出すエッセイストの犬山紙子さん。一家の大黒柱でもある彼女にとってお風呂は一瞬でも一人になれる場所であり、連載などのアイデアが浮かぶ「なんとかなる」場所だそう。そんな犬山さんが選ぶ、お風呂でリラックスして観たい映画3選と、そのなかで最も印象に残っているシーンについて、犬山さんのイラストと共にお届けします。
みずみずしさと
ノスタルジーで
優しい心を取り
戻す
リラックス度 | ★★★★☆ |
---|---|
ノスタルジー度 | ★★★★☆ |
みずみずしさ度 | ★★★★★ |
『天然コケッコー』
DVD&Blu-ray発売中
DVD:2,381円(税抜)/
Blu-ray:3,800円(税抜)
発売:アスミック・エース、集英社
販売:(DVD)KADOKAWA/
(Blu-ray)TCエンタテインメント
©2007「天然コケッコー」製作委員会
「透き通るようなレイ・ハラカミさんの音楽、田舎のとっても美しい田んぼや森、そして海。そんな世界に、まだ10代の夏帆ちゃんと岡田将生くんが中学生役で出てるって、癒しの要素しかない」と、犬山さん絶賛の作品。
くらもちふさこ原作の同名漫画を「リンダ リンダ リンダ」などの山下敦弘が映画化。脚本は「カーネーション」などで知られる渡辺あやが担当。小中合わせても6人しかいない田舎の分校を舞台に、子供達の日常や初恋が穏やかに描かれています。
「都会生まれの人が観ても、何故かノスタルジーを感じる。ノスタルジーを感じると心の奥がキュッとなって、そこにずっといたいみたいな気持ちになる。そこに初恋というエッセンスが加わるので、それはもうキュンキュンしますね。子供たちも可愛いし」。お風呂で体もさっぱり、そして心もみずみずしくなれそうな一編です。
何でもありの
ダンスバトルで
エナジーチャージ
リラックス度 | ★★★★☆ |
---|---|
前向きな元気が出る度 | ★★★★☆ |
中毒性高い度 | ★★★★★ |
『KING OF PRISM by PrettyRhythm』
DVD&Blu-ray発売中
DVD:5,800円(税抜)/
Blu-ray:6,800円(税抜)
©T−ARTS / syn Sophia /
キングオブプリズム製作委員会
アーケードゲームが原作のTVアニメ「プリティーリズム」シリーズ。原作では脇役だった3人の少年を主役に据えた、スピンオフ映画です。
「フィギュアスケートをとことんエンタメ化したショー(プリズムショー)が特徴で、いわゆる“トンデモ映画”としてツイッターで話題になっていて、前知識なしで観に行ったのですが、主要キャラのカズキ先輩と私の推しキャラのアレクが踊りながらバトルするシーンに夢中になっちゃって。どんなに疲れているときでも、思い出すだけで元気が出るんです!」と、犬山さん。
脳内再生できるほどハマったワケは、中学生時代に流行ったTRFの「EZ DO DANCE」に乗せてバトルとダンスが繰り広げられるからだとも。
また、「お尻から蜂蜜を出すとか、ありえない技が出てくるのですが、男の子も可愛くていいんだよ、自分のしたいことはしていいんだよ、っていうメッセージとして受け取れるのもいいですね。楽しい映像を観て、ちょっと応援なんかしちゃうのがいいと思います」。前向きな元気が出る映像で、お風呂タイムを異世界にして没頭するのもアリですね。
健気な子供たちの
愛と、神秘の世界
に癒される
リラックス度 | ★★★★☆ |
---|---|
神秘度 | ★★★★☆ |
お母さんのことを思い出す度 | ★★★★★ |
『銀河鉄道の夜DVD』
監督:杉井ギサブロー
価格:DVD¥3,800(税抜)
発売元:アスミック・エース株式会社
販売元:株式会社KADOKAWA
宮沢賢治の名作の登場人物を猫に置き換え、アニメーション化した本作。
「原作の美しい世界を映像化するのは難しいのではと思っていたのが、猫が丁寧な人間の言葉を話すなど、神秘的かつ不可思議な世界観が生まれていて。それに、アニメとは思えない素晴らしい描き込みと、細野晴臣さんの音楽。もうこれでリラックスしないわけがないくらい」と心酔。
お祭りの夜に、主人公のジョバンニが夢の中で乗車する銀河鉄道の旅が軸になっている本作。「銀河鉄道に乗ることで、ようやく親友と一緒に遊ぶ時間を持てたジョバンニが愛おしいですよね」。普段は母親の面倒を見ている健気なジョバンニの、子供らしい喜びも心にしみます。
架空の街や銀河鉄道で巡る星々の美しさ、青と黒で構成された世界観、そしてゆったり進む物語。「神秘的なものに触れるというのは、リラックスにつながると思います。私、何度も見ながら寝落ちしていますから(笑)」。うっかりお風呂で寝落ちしないように……でも、それぐらい気持ちがほぐれる映画と言えそうです。
映画を選んでくれた人
犬山 紙子
(いぬやま・かみこ)
イラストエッセイスト、愛犬家、愛酒家。
2017年1月に長女出産。トホホな生態を持つ友人の美女たちを描いた「負け美女」でデビュー。現在はSPA!やananなどで連載を持ちつつ、テレビやラジオなどのコメンテーターとしても活動中。
公式ブログ>
http://lineblog.me/inuyamakamiko/
Twitter>@inuningen
Instagram>@inuyamakamiko
どこまでも透明感のある風景と子どもたち、そして音楽。東京からの転校生と地元の少女の初恋にもキュンと癒されます。(イラスト:犬山紙子)